リエゾン効果

医者のインタビューは1on1が多い。一般消費者と同じで表現力と人柄でインタビューの成功・失敗が決まる。モデレーションの技術はさておいて、すぐにデッドロックに乗り上げてしまう医者がいる。明らかに通り一遍、うわべだけの反応で、こちらの意図をわざと誤解しているのではと疑いたくなる。インタビュー時間も余ってしまい、聞くこともなくなり、気まずい雰囲気になる。医者はモデレーターより「上」と思っているので(実際、医学知識は圧倒的に負ける)喋りたくなければしゃべらない。

これがFGIになるとガラっと変わる。専門家・プロ同士のいい意味での「探り合い」が始まってテーマに集中してくれる。「先生のところではどうされてます?」「それはペーパーは出てるんですか?」などいきなり高度な話になることもある。この効果を狙ったのがリエゾンインタビューである。基本は1on1だが、形式的にはペアインタビューになる。2人を同時にインタビューすることで、1on1のようにそれぞれの深いことがわかり、お互いの刺激・関係性(探り合い)がペアインタビューのようにテーマへの集中度を増してくれる。

1on1はひとり欠席で成立しなくなるが、2人呼んでおけば、ペアインタビューを1on1に切り替えるという抜け道もできる。医者のような専門家だけだなく、エクストリームユーザーという共通項を持っていれば、一般消費者でもこのペアインタビュー効果(リエゾン効果)は得られる。

まだ、研究途中であるが、このリエゾン効果を体系化したい。