カラダはウソがつけない

第29弾「自己知覚」 ある感情があって、それに見合った表情や姿勢が表現形として出てくる。楽しい時は笑顔が、ガッカリした時は肩を落とした姿勢が、ということ。ところが、逆の回路があって、表情や姿勢からある感情が湧き上がることがある。無理に笑顔を作っても楽しい感情が湧いてくるし、ガッツポーズをとることで気分が高揚してくる。我々の感情や情緒は「ココロではなくカラダ由来」だったりする。楽しいから笑うし、笑うことから楽しい気持ちが湧いてくる。この感情を導き出す力は表情より姿勢(体)の方が強い。能が面(おもて)は無表情にして、舞で表現するのも、この顔(表情)よりカラダの自己知覚の方が強いことを知っていたかのかも知れない。顔はウソをつけるがカラダはウソをつけない。

MRの現場、FGIの現場ではボディランゲージが大切と云われることがあるが、2時間椅子に固定されていては言うほどのボディランゲージは観察できない。ワークショップでアイスブレイクにコトバのやりとりだけよりもカラダを動かさせた方が、アイスブレイクできたか、凍ったままののかの判断は確かにつきやすい。表情は崩れていてもカラダが固まったままでは緊張が解けたとはいえない。我々が提案しているインタビューの途中でカラダの動きを強制的にいれる「アクティブインタビュー」もこの知見に従っていそうだ。

ココロの開放はまず、カラダの開放から。