曖昧性を避けるか、好むか。

第27弾は「曖昧性効果」ちょっとわかりづらい。と言うより当然の反応の気がする。確率を明言してくれていればそちらを選ぶし、わざわざ確率を再計算するほど我々はアタマがよくないし、時間も無駄である。モンティ・ホール問題も人に説明できるほどの理解に至っていない自分としては確率、期待値は計算より宣言された数値を信頼するよりない。今回の曖昧性効果は、曖昧なものを避ける傾向を脳は持っているということだが、コトバだけからは曖昧な方が有利に働く(選択されやすい)と誤解してしまう。

大阪と東京で同じテーマでインタビューした時に単価の話になって、東京の主婦は全体価格か行っても本数単価の比較で判断していたのに大阪の主婦の中には本数単価を越えてg(グラム)単価まで比較する人がいて驚いた経験がある。日常生活でここまで「計算」するには相当の意識(少しでも安いものを買いたい、高く買うのは愚か)と計算能力(全体価格・本数単価・1本あたりのグラム数)が必要である。グラム単価は曖昧のまま、明確に表示されている全体価格で比較するのが当然であろう。マーケターは当該製品の隅々まで分析するのでグラム単価まで気にするが、消費者はPOPに表示された価格の「印象」でブランド選択している。詐欺とまではいわないこれらのゴマカシはマーケティング戦術として認められるのではないだろうか。