認知はハシゴの階層構造を持つか

昔、レパートリーグリッドと言われ、諸井先生が「評価グリッド法」として完成させたリサーチの方法論がある。
評価グリッド法とセットでよく使われるのがラダリングという手法である。
これは、消費者の認知構造と製品の価値構成(要素)構造が相関していると前提して、消費者評価と製品仕様を直接的に結びつけようとする方法論である。
究極は最高の消費者評価を得るための製品仕様が「自動的に」析出できるとするものだが。(チト、言い過ぎ)
例えば、高級車の消費者評価の最高価値が「ラグジュアリー」だったとすると、それを実現する大まかなスペック、車幅、エンジン形式・排気量、安全装置、インテリア、などが分析できるのである。
ラグジュアリーという上位価値をエンジン排気量3200ccまで落とし込むことを「ラダーダウン」と言い、革張りシートから欧州城の椅子という価値にまで高める作業を「ラダーアップ」という。

このラダリングの考え方をプロ-ビングに活用することができる。
「カフェラテ飲むとものすごい幸せな気分になる」に対して『それは甘さから?コーヒー味覚から?』とラダーダウンのプローブをし、『スタバのカップデザインはどんな気分のもの?』とラダーアップを促し、『カップの素材は?』とダウンさせ、と言うように発言者の価値のポジションを想定して、製品にあわせてアップダウンを繰り返してプローブする。
こうすることで対象者の気分と認知がアクティブ化して楽しくて新しい発見のあるインタタビューになる。

ラダリングは1on1インタビューが基本だが、FGIでも活用できる。
アクティブインタビューでは、ラダリングも意識してプロービングを実施する。