学校も会社もない

シニアマーケットの定義そのものが人によって違う。
・単純に年齢で切る方法
・ライフステージで切るやり方(末子が大学入学・卒業、同居の子供がゼロになった、他)
・経済状況で切るやり方(世帯主が完全退職した、主な収入が年金だけになった)
などが考えられる。
どれも切り口としてエッジが立たず困るのである。
それだけ、ひとくちにシニアといってもセグメントする側、される側の事情が複雑になるのである。

そこで、ふと思いついたのが「ガッコも会社も行かなくなった人」という定義である。
ひきこもりではもちろんないが、「毎日、行くべき場所」がなくなった人というのはどうだろうか。
学校や会社がある世代ならば、行動パターンは比較的単純でビッグデータをを駆使しなくても明日の朝10時にどこにいるかは精度高く予測できる。
それが、シニアになると予測は難しくなるだろう。
老人の生活パターンは個性なく、単純との思い込みがあるが、恐らく相当の多様性があるのではないか。
シニアマーケットを考える時、ステレオタイプは危険である。

行くべき場所だけでなく、いるべき場所もなくなることもあるらしい。
そうなったらマーケットの対象ではなくなる。