シニアのインタビューと他己紹介

グループインタビューではまず対象者お互いの自己紹介から始まるのが普通だ。
個人のプロファイリングとラポール形成が主な目的である。
一般に若い男性(高校生くらいから)が最も苦手(盛り上がらない)でジニアの女性が最も得意(盛り上がるし、プロファイルが描ける)という両極端で、他の属性はその中間に分布する。

若年層の自己紹介をもっと盛り上げるために他己紹介を採用した。
盛り上がらない原因が、いきなり大勢の前で自分を語ることに「気恥ずかしさ」が強いことがあると仮説を持ったわけだ。
集団ではなく、1対1の相手に語るならそれが弱くなると踏んだわけである。
成功・失敗はあるが、何回か経験して有効な方法と思えるようになった。
失敗のダメージは少ないし、成功したときの効果は大きいのである。(あとの進行がラクになる)

最近、これをシニアの女性グループで採用してみた。
既述のようにシニアの女性は自己紹介で十分なのだが、やってみたら思わぬ効果があった。
それは、自己紹介時間が短くなったのである。
お互いの情報集時間の5〜10分はムダではあるが、全員の紹介時間が一定に保たれるのである。
シニアの自己紹介の問題点は「長すぎる」「関係ないハナシが延々と続いてしまう」であった。
モデレーターが切ってしまえばよいのだが、時々、気まずい雰囲気になるとがある。
趣味や孫のハナシが始まると止まらない。
だが、この他己紹介では、事前に聞き出したことしかしゃべれないので、全員の時間がほぼ、均等で短く済むのである。
思わぬ功名で今後も使っていきたい。