シニアは正しく人生を歩んできた

「もう、人生をやり直す時間はない!」という自覚が「年寄」が出来上がる瞬間かもしれない。
例えば、今、あなたが20歳代である会社に就職して充実とは遠い仕事をしていて、我慢の限界になれば転職して仕事人生を「再スタート」できる。
それどころか、学校や訓練校に再入学して、学生からやり直す選択肢もあるはずだ。
文系だった人が理系にスイッチしたり、技術畑の人がMBA留学するようなことである。
私の知り合いも経済学部を出た後5、6年働いて、一念発起、医学部に入り直した人もいる。
そんなことは、30代でも可能ではある。
40代になると結婚だけでなく、子育ての制約があって、学生時代からやり直すことは現実的ではなくなる。
そして、50代が最後の「転職」の機会で、それ以後はその場の仕事や会社を続けざるを得なくなる。
「やり直す」意欲も体力も知力も衰える。

シニアマーケットを考えるとき、ターゲットが「もう、人生をやり直すことができない」人たちであることを大前提に考えるべきである。
だから、提供する商品、サービスもシニアの現状を「肯定してあげる」ものであるべきだ。
食生活を変えろ、運動をしろ、ボケ防止にゲームをやれ、という商品・サービスは基本ウケない。
ウケても短命に終わる。
あなたの人生に間違いは微塵もないし、今の生活態度は正しい、と肯定してあげてから新しいものを提案することである。