バンドワゴン効果

『ココロの盲点』池谷裕二p24〜 にバンドワゴン効果という認知バイアスが載っている。

このバイアスはグループインタビューでしばしば、観察できる。
グループインタビュの場そのものが、いわゆるバンドワゴンの典型ともいえる。
ある商品・ブランドを使っている、買ったことがあるというだけで5人〜6人のバンドワゴンに乗せられるのが対象者である。
小集団で話が進行すると当然、場の雰囲気ができてくる。
(本の例で言えば、この店は塩ラーメンが有名らしいということがわかった瞬間である)
この場の雰囲気に逆らった発言というのは結構な心理的ストレスになる。
逆らうにはそれなりの理由の説明をそれなりに説得的(論理的)に説明するという知的?な作業が必要とされる。
そんなストレスを克服してもしなくても謝礼金額は変わらないし、そもそも自分が塩ラーメンを食いたいか、しょうゆラーメンなのかもどっちでもよいと思っていた程度の場合も多い。
そこからは、場の雰囲気に同調する「バンドワゴン効果」へ一直線である。

この時、「あの対象者は雰囲気に流された。最初のころと言うことが違ってきた。だから、参考にならない」と決めつける場合(人)がある。
こういった反応をする人(調査主体)は、「対象者というものは、周囲に流されない独自の見解や好みを持ってインタビュー会場に来るべきもの」との思い込みがあると言える。
この見解からは「有効な」グループインタビューは生まれない。
同調圧力の中でどのように態度変容したか、同調圧力となったマーケティング要素は何かを分析しなくてはいけないのである。

もうひとつ、「集団両極化現象」にも触れられているが、これはグループインタビューのモデレーションでは積極的に活用すべきである。
あいまいだった消費者の評価構造が、極端化させることで明確になってくる。