アクティブインタビュー

『アクティブ・インタビュー』せりか書房を本棚からひっぱりだして読み直した。
現在のインタビュー調査に行き詰まりを感じて久しいが、なかなか突破口が開けない。
エスノグラフィー、行動観察、アイトラッキングゲーミフィケーション、など中途半端ながらいろいろ試行してみた。
分析では、ペルソナ、メタファー、インサイトなども試したが、コレといった成果に結びついていない。
そんな中で思い出したのが「アクティブインタビュー」である。
ひとことで言うとインタビュー対象者を対象と考えずに協同者と考え、インタビューの場を対象者と協働して、新たな「意味生成」の場とする方法論である。
そこには、モデレーターが与えるバイアスや対象者が隠すホンネというものは存在しない。
モデレーターは意識的に刺激を与え、対象者は反応を迫られて無理やり回答していく、それらがお互いの対話を活性化させ、新たな共通の意味を生成させ、発展させるというものである。
仮説もその検証もなく生々流転する「意味」の落としどころを見つけられればインタビューは大成功となる。

これだと一見、仮説を作る、あたりをつける、ための方法論に見えるが、マーケティングの仮説の検証にも使えるのである。
マーケティングは数多くの要素(要因)によってある結果がもたらされる。
その要素分析には、ある論理から、全く違う論法に飛ぶ(相転移)ことが必要になってくる。
それを助けるのがアクティブ・インタビューなのではないか?