レパートリーグリッド法は「発展」したか?

レパートリーグリッドはケリーのパーソナルコンストラクト理論に基づいて開発された面接手法である。パーソナルコンストラクト理論は心理学、特に臨床心理のために開発されたものだから、カウンセリングの現場で活用できる。
臨床だからクライアント(患者)がいる。
そのクライアントの心理構造・認知構造を明らかにするため方法論である。
ある患者(クライアント)の精神状態の不調が母子関係の「こじれ」に原因があると仮説したとする。
問題の原因が母親との関係にあるのだから、母親との関係を患者に直接聞いてもはぐらかすか、合理的なウソをつくことは容易に想定できる。
そこで、父、母、祖父、祖母、妹、兄の6枚のカードを作り、任意の3枚を取り出して「似ている2人」と「その2人とは違う」1人にカードを分けさせる。(これが3個組法)
 *患者の家族構成によってカードの枚数、中身はちがう。
そして似ている点を自由にしゃべらせ、次に似てない点、違うポイントを似ている点との対比も含めてしゃべってもらう。これを20通り(6から3つを取り出す組み合わせ)繰り返す。
そこから患者のパーソナルコンストラクト(特に注目してる、家族関係の中での母子関係をどう捉えているか)が明らかになる。
さらに母親にも同じインタビューをすれば、より関係性が明らかになり、患者の精神の不調の原因が母親にあるかどうかが明らかになる。
以上がレパートリーグリッドの自分の理解である。
この内容を文献で読んだ気がするのだが、検索しても出てこない。(妄想か?)

この方法はカウンセリングでは良いのかもしれないがマーケティングリサーチにそのまま持ち込むには手間がかかり過ぎる。
そこでレパートリーグリッド発展法として提示するエレメント(上記の例なら家族のカード)の「優劣を判断」させて相違点自由に語らせる方法が開発された。
当然、エレメントは商品・製品・ブランドなどになる。
インタビュー(面接)の際も優劣を判断した「判断基準」にフォーカスして行い、さらに因果関係にまで踏み込むために「ラダリング」を使う。
このレパートリーグリッド発展法をよりマーケティングリサーチに使えるようにしたのが評価グリッド法だが、内容はほぼ同じである。