すべての消費行動は「反射」である

マーケティングの世界ではよく「最寄品」対「買回り品」、「非熟慮型消費」対「熟慮型消費」に商品や消費行動を2分する。
前者は習慣的なブランド選択が行われ、リサーチしても選択理由はよくわからない場合が多くリサーチャー泣かせである。
後者は商品の価値構造や購入時点の状況、消費者本人の心理的傾向などを分析すれば、ブランド選択理由や選択基準がわかり、新製品のヒントが得られる場合もある。
リサーチが成立する分野である。

池谷裕二『脳には妙なクセがある』があるを読んだら、買回り品、塾慮型消費も最寄品と同じように習慣や「反射」によって選ばれているのでは?という疑問が湧いてきた。
自由意志は(意志が宿るとされる)脳にはなく、重要な意思決定も「反射」として決定されているということである。マーケティングでも経済・社会的制約はあるものの消費者は自由にブランド選択できるという自由意志を前提にしている。
ところがほとんど全ての選択は自由意志ではなくそれまでの経験やその時の身体の状態からの「反射」に過ぎないという研究結果があるそうだ。
まさに無意識の選択を自由意志と錯覚しているだけらしい。

であるならば、リサーチもこの「反射」の要素である対象者の経験と身体状況を観察すればよいとなるかどうか。