MROCの報告書

だいぶ昔になるがある化粧品メーカーの研究所の人に「これ、どうやって分析できそう?」と渡されたのが、アットコスメというサイトのダンプリストであった。(@cosmeがスタートしてすぐの頃だと記憶)
コンピューターの連続用紙2箱くらいあったと思う。
担当の方は「読んでいておもしろいのだが、レポートにまとめようがない」と頭を抱えていた。

今なら当たり前のデータだが初めてみた(読んだ)アットコスメのタイムライン?は新鮮で驚かされた。
まだ、テキストマイニングという言葉も一般的ではなかったように記憶する。
2人で読み込んで得た結論は「これはレポートという形にはできない、してはいけないデータ」というものだった。
「読んで各自がインサイト(この言葉も今から見ての表現)を発見できればよい」と分析は諦めた。

旧来のリサーチの発想でMROCをみると「何が成果物として出てくるの?」となる。
この質問は「分厚い報告書、きれいな図表」という回答を予測(強要)している気配が濃厚である。
そうではなく、MROCの成果は「各自の気づき、インサイト」という無形のものでいいのではないか。
それなら「カネは払えん!」となるかもしれないが、報告書としてまとめられたMROCの結果というものが想像しずらい。
そうであるなら、MROCはエンドクライアントも巻き込んで、生成流転するコミュニティの状況をその時その場で分析・議論することにこそ価値があるのではないか。

だからMROCのプラットフォームは、コミュニティとは別に「管理画面」を充実させる工夫が必要であろう。