MROCのキモ

なんとなくその効能がわかりずらいMROC。
字面を追っていて気づいたことは「キモ」はコミュニティだということ。
マーケティングリサーチはもちろん、オンラインも手垢にまみれた表現。そんなこといえばコミュニティもそうであるが、そのコミュニティがMRと結びついたのがMROCのキモなのである。と思った。

コミュニティと言う概念はおよそマーケティングリサーチとかけ離れている。
リサーチは調査主体(観察主体)と調査対象が完全分離し、調査対象は言葉は悪いがモルモットにすぎない。
最近は科学実験の世界で、対象動物として、齧歯類から魚(エンゼルフィッシュ)に移りつつあるらしい。
実験動物が痛みを感じるか?痛みを「不幸」と感じる意識があるかどうかという、シーシェパード的発想?というと怒られるが、最後は大腸菌にも意識があるという結論になりそう。ならないか。という考え方が主流らしい。(『魚は痛みを感じるか?』)
そう、調査対象者はモルモット扱いされてきたわけである。
刺激→反応の対象として、冷静に科学的に扱われるものとするのがマーケティングリサーチの世界。

これはこれで多くの知見を産んできたが、それだけでわかることには限界がある。
その限界を突破する一つの方法として「対象者(の関係性)のコミュニティ化」が考えられる。
観察者と観察対象という関係性から「全員がコミュニティの一員として対等」というう状況が生まれた時、今までのマーケティングリサーチが作ってきた世界とは全く別のものが生まれると思う。

そう考えると、MROCが目指すべきはオンラインであろうがオフラインであろうが、対象者のコミュニティ化に尽きるのではないか。
カオスとゆらぎの中に調査主体も調査対象も投げ込まれることで新しいアイディアが生まれる。
調査とか、観察という概念の止揚であり、そこから生まれる創造がMROCなのであろう。