ダンバー数

人間が「安定的な関係を保つことができる認知的上限数(人数)」のことをダンバー数という。
その数は上限150人で100人くらいが現実的な数値らしい。(wikiでは上限ではなく平均値としているが)
SNSによって、世界中の誰とでも仲良しになれるはずが、その数は意外にも150人という小さな数、ということでガッカリする人がいるかもしれない。
ではなぜ、150人かというと、ダンバー本人はいろいろな集団(移民集団や歩兵集団)の観察や実験でこの数値を割り出したらしい。
もうひとつ、人類140万年の歴史の中で狩猟採集生活が終わって農業・耕作が始まったのは、高々この1万年くらいらしい。
実に99%以上が小集団による狩猟採集生活だったわけで、ダンバーはこの狩猟採集生活が維持(扶養)できる人数と地域的な広がりを考えた。
移動手段がほぼ徒歩に限られる狩猟採集生活では1地域で扶養できる人数は150人と計算された。
この150人であれば、どこの誰で、何が得意・苦手で、性格はどうという情報は共有できるし、北西方向に獲物の群れがいるというような実質的な情報も共有できる。

この認知とコミュニケーションのパターンが進化的圧力となって遺伝子に組み込まれたというのが進化心理学の見解である。
Webによるコミュニケーションが生まれてまだ数十年、膨大な相手とコミュニケーションを取る能力が進化圧(そういった個体の方が生き残る=繁殖する)になることがあるのだろうか。