P&Gの調査部

Twitter上でP&Gのリサーチ責任者が今後サーベイの重要性は非常に低くなって、ソーシャルメディア系のリサーチ方法を研究した方がよろしい。とリサーチ会社向けに発言したという話題が取り上げられていた。
ほんとにそうなのかよくわからないが、いくつかのことを思い出した。

仕事上でP&Gを知ったのはまだ「プロクター&ギャンブル日本サンフォーム」という名称が残っていた時代だと思う。
その後、「プロクター&ギャンブル ファーイーストインク」という名称だった時代もあったような気がするがこの辺りはあやふや。
外国の石鹸メーカーで日本人が使うと肌荒れがするなどの「風評」もあった。
最初のインパクトはP&Gの調査レポートは
 ・1枚のトップラインを必ずつける。
 ・本レポートはいつでもいいからトップラインは集計が終わった翌日に提出。
 ・トップラインにはグラフは載せない、数表とコメントだけ。
という規定があったこと。
当時のレポートはタイプライターで作成したためグラフを作ると非常な手間だったのでグラフ不要かというとそうではなくて、「グラフは数値の読み取りを誤らせる」というのが理由だった。
1つか2つの数表だけで結果を表現するのは想像以上に大変だった。

その後長くP&Gとは縁がなかったが六甲アイランドに本社を移して1、2年後、突然電話があって呼び出された。その時のインパクトは、
 ・個別にパーティションで区切られて個人のスペースが確保されていたこと(下っ端も)
 ・ダイヤルインで、電話が鳴っても隣の席の人が出てくれることはなく、留守電になったこと
 ・隣のセクションがどこの調査会社を使っているかも知らないこと
であった。
日本の会社の常識では考えられない非効率に見えることが最高の効率を生んでいることに驚いた。

P&Gとの付き合いは薄い方だが、P&Gで(日本の会社でいう)「調査部」の人間には会った事がないなと今、思い出した。
「調査部が大きい顔を始めるとその会社の新製品やマーケティングは元気がなくなる。」というのは確かにある。
震災で多くのリサーチがキャンセルされているので日本(の企業)は元気になる。ってなことはないか。