400万年の99%は狩猟・採集生活

この1年で「ヒトの400万年(?)の生活のほとんどは狩猟・採集生活であり、農業・定住が始まったのはつい最近のこと」という仮説をよく聞いた気がする。
ここから、DNAに次のようなことが「書き込まれた」という話の展開になる。
・小集団で共通の目的(獲物を探索し、追跡し、し止める)をもつので協力・協調が生まれた。
・狩猟は10人前後のグループで厳しい状況で行われるので「利他的」行動が始まる。
・獲物は参加者全員に平等に分配する(し止めたヤツは運がよかっただけ)
・また、肉は保存しずらいので仲間のお腹を貯蔵庫にした(貸しをつくる)方が将来的に有利
・性差もここ(狩猟vs採集)から生まれた。
・投擲能力は男性の方が高い
・女性は採集・子供の生育が仕事なのでコミュニケーション能力が高い。
・同様に競争するより協力が有利になるので女性管理者・経営者が少ない。

もっといろいろあったが忘れてしまった。
経済、哲学、脳科学、心理学、社会学、いずれの本にも登場していたような気がするこの仮説。
「言われてみれば確かに聞こえる(そうかもしれない)○耳アワー」的と言ったらいけないのかもしれないが、この仮説そのものを検証することは不可能だろう。

農業・定住、さらには工業化と進歩・発展してきた現在の世界(社会)は、根底にある狩猟・採集生活時代のこのDNAの上にそのまま「つぎはぎ」されたために数多くの矛盾や軋轢が発生しているという意見も聞いたことがある。
だから、狩猟・採集生活に戻れと言う意見はさすがにないが。

ヒトは脳も社会も適当に「つぎはぎ」してきたのだから、やはり原理主義的な考えは間違っているという結論だけは確かなようだ。

来年は何を「つぎはぎ」するのか。