経済成長のない市場でのマーケティング

電気自動車ガソリンエンジン車に取って代わるのは時間の問題のようだ。
このことだけみると電気モーターは内燃機関に比べて複雑で画期的な技術革新があったかのように思うが、そうでもないらしい。
初期の自動車は電気モーターで動くものが多かった。
馬力と電池寿命・重量の問題が解決できないうちに内燃機関の技術革新が進んで電気自動車は自動車の歴史から消えていたそうだ。
だから、電気自動車は「復活」したのである。
この復活を支えたのが電池の改良であるが、この改良は革命とか革新といえるほどの画期的なものでもない。

世界的な(経済)成長を支えたのは蒸気機関や内燃機関の発明による産業革命だと習った気がするが、最近の研究ではそれだけではない、真のきっかけは違うものだったということである。
さらに世界の成長を支えた科学的な発見や理論は19世紀後半から20世紀初頭の数十年間に集中していて、その後は「たいしたことない」という説も最近よく聞く。

そして21世紀の現在、世界は成長(インフレーション)から停滞(デフレ)に大きく転換しつつある。
日本の20数年間にわたる停滞(デフレ)は世界経済の「さきがけ」である、ということを言う人もいる。
民主党には成長戦略がないと批判しても始まらないが、今のバラマキを将来的に支える経済成長はもはや望めないという認識はせめて持って欲しいものである。

それと、マーケティングという発想そのものが成長(インフレ)を前提としてきたという認識もおそらく間違っていないと思う。
今後の世界から「(急)成長」がなくなるとしたら、低成長下のマーケティング、衰退市場でのマーケティングというようなことを思考実験してみることも必要なのではないか。
悲観的になることなく。