デマ、うわさ、クチコミ、つぶやき

11月16日のアウラセミナーの準備で毎日、ネットワークやつながり(nexus)について考えるようにしている。セミナーはインタビューの方法論が目的だから、グラフ理論に基づいたネットワーク分析は関係ないのだが、本を読むと「収斂進化」や「六次の隔たり」など普段の興味に引かれてしまい、いけない方向に思考が走る。

そこでコトバから考えていたら、「デマ、うわさ、クチコミ、つぶやき」の順に並んだ。

デマは「嘘を本当のことように広める」ことで「自分(達)の利益や権力の獲得」がその動機・目的。という定義にしておく。政治の世界では常套手段らしいが、マーケティングの世界では少ない。
マーケティングはオープンな世界だから嘘はすぐにバレるし、デマで得られる利益も少ないのではないか。
金融系では時々というか常に大きなデマが飛び交っていて金融が政治と密接していることがわかる。
製品ではマスコミによる「風評被害」が時々発生する程度である。

うわさは発信してる側も受信している側も「ほんとうかどうかあやしい」と考えているのに「ありそう」「その方がおもしろそう」という内容であれば一挙に広がる。うわさについて「損」する人は少なく「得」する人はさらに少ない。日々、瞬間的に消費されていくだけである。
マーケティングの世界では「商品に関する悪いうわさはよいうわさの6倍のスピードで広がる」という研究結果が30年前にだされている。もちろんWebがない時代である。

クチコミはうわさと区別しずらいが、「コントロールできると思わせるうわさ」と定義しておく。
ソーシャルメディアの発展との関連でコミュニケーション・プロモーションの一環としてマーケティングの世界でも研究されている。
ただ、マーケティング的に活用しようとすると「デマ」の要素が入り込んできて「炎上」や「祭り」になってしまう危険が大きくなる。
情報のバブルのようなもので、発生はさせられてもコントロールは不可能(特に崩壊過程は)のようである。
ここで「評判」というコトバも出てくるがこれはまた考えることにする。

つぶやきは「みんなそう思ってるがらしいが、ホントのことは○○なんだよ」という定義が正しいと思う。
最近はTwitterのおかげでもっとカジュアルになってきている。
本来的にはコミュニケーションを意識しない(むしろ拒否する)つぶやきが新しい「つながり」を作っている。

パーソナルなつぶやきが実は「社会的につながっている」という魅力的なテーマがある。
個人のつぶやきがネットワークの中で発せられている、脳はつながっている、というSF的(デマ)な話になってしまうが、脳科学者の中にもこういった視点を持つ人が増えているのではないか。

今回のセミナーはマーケティングリサーチがテーマなのでもっと現実的なインタビューの話である。