ツールドフランスのドーピング

ツールドフランス第一ステージはペタッキが6年?ぶりでステージ優勝した。ゴール前1キロで大落車があってヒヤヒヤしたが新城も35位でケガもなかった。
ペタッキツールを離れていた理由にドーピング問題も大きかったと思うが、昨年はドーピング違反もほとんどなくクリーンなツールになってきたといえそうである。(安心はできないが)

よく言われるが、200kmも走ってきて、最後の1キロでは「もがきあい」のスプリント勝負をするロードレーサー達の身体と神経(闘争心)は一体どうなっているのだろう。

長距離選手の筋肉は遅筋線維が多くマラソンのトップランナーは90%近くを占めるそうだ。
一方の短距離選手はおよそ80%が速筋線維ということだ。。(通常のヒトは5:5)
遅筋線維の細胞は通常の筋細胞よりたくさんのミトコンドリアを持っていて酸素を消費しながら脂質と糖質を分解してATP(アデノシン三リン酸)、つまり細胞のエネルギーを作っている。
速筋線維は酸素なしで一挙にたくさんのATPを合成できるがそのATPはすぐに消費されてしまう。
ツールの選手たち(スプリンター)はこの2つの筋肉を使い分けているに違いない?

ここでPPARδタンパク質を筋肉内に高濃度で生成させると(遺伝子操作によって)遅筋線維が多くなり脂質を効率よく燃焼させる(酸素と脂質でATPを作り出す)のでマラソンのトップランナーのような体型(痩せる)になるそうである。
実験はネズミを使って行われ「マラソンマウス」として有名らしい。(痩せていて長時間運動ができる)
この遺伝子操作をツールの選手に行えば、おそらくドーピング検査もすり抜けるのではないだろうか。
さらにGSKがGW501516という実験薬を開発したが、この薬はPPARδタンパク質を活性化させるので遺伝子操作と同じような効果を発揮するそうだ。

この薬剤はスポーツ選手の体の改造よりも「やせ薬」としてのマーケットの方が大きい。(脂肪を効率よく燃やす)
これを飲めば、マラソントップランナーのような(モデルのような)体型と運動能力の両方が手に入る、かも知れない。(GSKの株でも買っておくか?)

食事と鍛錬だけでスポーツ体型を作る(べき)という時代は終わりつつあるのだろう。

(「アメリカ版 大学生物学の教科書」1巻 200ページ付近の記述によっています)