ヒトは料理で進化した

「火の賜物」リチャード・ランガムを読んだ。
サブタイトルが、ヒトは料理で進化した。である。
火の獲得によって、暖をとる、夜間肉食獣の襲撃を減らせるなど類人猿から離脱する進化のきっかけを得たということは納得的である。(ホントにそうかはわからないが)
著者は火を得たことは、生のものを調理して食べるようになったことが、ヒトの進化に大きな影響を与えたと主張する。言語の獲得に匹敵する画期的な出来事で調理(料理)は心理学的、文化人類学的テーマではなく進化学の中にきちんと位置づけされるべきという。

少しトンデモ本の匂いもするが料理を進化の視点で見直してみるのはおもしろい。
欧米には「生食主義者」みたいなグループがいるらしいが、これらの観察から生食を非常に効率が悪く、痩せていて、生殖能力も落ちるということから生食が進化的には不利であるとする。
ヒトは料理することで消化器官の負担を軽減し、小腸でのたんぱく質吸収率を高めた。
「ヒトは口の小さな類人猿」であるらしい。

自己の子孫(遺伝子)を残すという進化圧を考えると性交渉の優位性を問題とするのがわかりやすいが、未開の婚姻関係の分析から、性交渉は自由(誰とでも)であるが、ある女がある男に料理を作ってあげるとその2人の婚姻関係がその社会集団から認められるという事例があるそうだ。

ここからヒトは料理で進化したということになるのだが、なんとなく「?」がつく。