切歯扼腕 DaybyDayインタビュー

夢で誰かと論争していて、相手の攻撃に思うように反撃できず、つまりは寝ているので口がうまく動かない。(口が動いたら「寝言」になっているのだろう。)悔しい、惜しい、まさに切歯扼腕の最中に目が覚めた、という体験はあまり一般的ではないのか。
夢の中では時間差なく切歯扼腕だが、現実生活ではこの感情は時間差を持ってやってくることが多い。

3択の試験でさんざん迷った挙句、最初の答えを変更したら、答えあわせで最初が正解だったなんてことはよくある。後で考えても「後の祭り」にしかならない。
飲み屋でどうでもよいことで議論になり相手に論破された形でフトンにもぐりこんだ瞬間、「そうか!アイツの論理はこの部分で完全に破綻している。こういった実例を出して口撃すれば、勝てた。
カミさんと(あるいはダンナと)口げんかになり、またしてもやり込められて目覚めた朝、相手の言い訳の破綻に気づいて朝からリターンマッチ。
上司の説教に納得していたが、昼飯食っているときに「ヤッパ、アイツおかしいこと言ってたじゃねーか」とカレーを噴出しそうになったり。

ヒトの認知は与えられた情報を全て精査して作られるのではないらしい。
認知コストを無視した情報検索や回答の探索は混乱とタイミングの遅れで役立たなくなる。
だから、スキーマスクリプトを使って合理的(いい加減な、ステレオタイプな)に認知・反応している。

これがインタビューの現場でも起こっている。夫婦喧嘩ほど激しくないが、インタビューの現場はインタビュアーと対象者のプレッシャーのかかった会話の場になる。そういう場面が一切ないマーケティングインタビューは質問紙を使って定量的にリサーチした方が安いし、結果が早い。
インタビュアーには仮説があり、インタビューによって崩され、再構築過程でまたはぐらかされる。
対象者は普段考えてこともないようなことに「好きか、嫌いか」「買うか、買わないか」と迫られ、「そんなの知らねーよ!」と尻をまくりたい気持ちを謝礼につられて抑えている。

時間がたてば、「こういう質問をすればよかった」「実物を見せればよかった」とインタビュアーは反省し、「アイツの質問はこういう意味だったかも知れない」「自分の本心は案外ちがうところだったかも」と対象者はテーマへの理解が進む。
このプロセスを経た後にまた、インタビューが行われたらどうなるか。
「DaybyDayインタビュー」と名づけてやってみたら案外面白い結果が出ました。
インサイトだ、深層心理だ、無意識だ、潜在ニーズだといったことにアプローチできそうです。
詳しくは http://www.auraebisu.co.jp/