家族形成意欲

22歳、就活中の大学4年生女子の証言。
・就活が最大のテーマで他は何も考えられない。最大のストレス。
・これだけ苦労して就職できたら、結婚ごとき?で簡単に辞められない。
・付き合っているカレはいるが結婚は全く考えていない。多分相手も。
・結婚願望はないし、一生結婚しなくてもいかもしれない。
・子供は嫌いではないし、同級生でデキ婚で子供がいる人をみると「ちょっと考えられない」
・カレといるより学校の友人、バイト仲間といる方が楽しい。
・自分の家族は普通の家族で仲良しでもないが仲が悪いわけでもなく、家に帰れば心地よい。

この女子大生の考え方、態度について「いい・悪い」の価値判断なしで家族の視点から考えて見た。
証言から、現状、この子の家族形成意欲は極めて低くなっているといえる。
しかし、22歳という年齢、大学に通っているということから、生物的・社会的家族形成能力は生涯で最大の時期といえるだろう。
これ以降、年齢を重ねても家族形成能力が今以上に高くなることは考えにくい。
仕事のキャリアを積めばキャリアによっては経済的な家族形成能力は高くなるかも知れないが、
・仕事も結婚も子育ても全てこなせるのはバリバリのキャリでないと無理で自分にはなれそうもない
という証言から、その可能性は低いようである。

ここで彼女が家族形成のために一人相撲していることがわかる。
経済・社会的な家族形成能力を夫に分担させようという考えを採用する気がない。
そこまではインタビューしなかったが、
・今のオトコどもは「草食系」などと言われ、頼りにならない
という理由が大きいかも知れない。
大学まで進学し、卒業後も正社員で自立したいという意志が家庭に入って子育てするという役割の価値を低く見えさせているのであろう。
世間もキャリアウーマンは賞賛するが、いわゆる良妻賢母は当然のこととする傾向がある。
若いせいもあって、両者(キャリア、家庭)のロールモデルも発見できていない。

家族形成意欲を刺激する情報が彼女の周囲に全くない状態である。
社会的に家族形成意欲を刺激された時期には生物的能力はピークを過ぎてしまうというミスマッチがある。
勉強も仕事(就職)も結婚も全てがミスマッチという印象である。
少子化の根は深い。子供手当てでは解決できない。