「アスペルガー症候群」

幻冬社新書、著者は岡田尊司さんという臨床の精神科医です。
アスペルガー症候群の改善方法として、

言語療法において語彙を増やすこと以上に、話題を共有し、交互に双方向の会話をおこなうスキルを高める必要がある。さらに何度は高くなるがユーモアや比喩や皮肉といった字義通りではない表現を理解する力をつけることも求められる。(p248)

認知行動療法は「原因→反応→結果」という連鎖に認知という一項目を加える。つまり、「原因→認知→反応→結果」という連なりとしてひとつの行動を考える。認知とは、ある出来事を、どう受け止めたかということである。アスペルガー症候群の人では、同じことが起きても、見当違いな解釈をしてしまいがちである。しばしば否定的に、時には被害的に「悪いことの兆候」として受け止める傾向も見られる。記録をとって、そうした傾向や反応パターンに気づかせていく、より適応的な受け止め方を学んでいく。(p265)

精神科の疾病は、血液型による分類のようなものと真の疾病との識別が難しい。
うつ病は定義次第で患者数が大幅に動いてしまうらしい。