マーケティングと販売は逆である

ドラッカーの読み直しは「マネジメント」(エッセンシャル版)からです。
最初のひっかかりがこれです。P17

なんらかの販売は必要である。と前置きして、「だがマーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」

マーケティングを勉強し始めたころ、販売とマーケティングの違いが理解できず苦しみました。そして、どこかでこのような言説に接してなんとか理解できた気持ちになった記憶がありますが、ドラッカーが言ったことだとは知りませんでした。
「マネジメント」は1974年が初版ということですから、自分が実務の世界に入ってすぐのころです。
AMAやJMAのマーケティングの定義が法律文章のようで何を言いたいのかわからないのに比べて極めてシンプルに実践的にマーケティングを表現しています。

マーケティングリサーチもクライアントの「顧客理解」と「顧客に合わせる」ことの手伝いをすると定義すればすっきりします。
統計理論、消費者行動論、暗黙知インサイトなどの諸概念もここを出発点とゴールにすればよいのですが、実践の中では忘れられがちになります。