山種美術館

恵比寿に移転してきたというので行ってきました。
建物は6階建てでしたが1階と地階が開館しているだけで、展示作品も今回の企画展の速水御舟だけでした。
目当てはパンフレット通りの「炎舞」ですが、ほぼ同じ主題の「粧蛾舞戯」もよかったと思います。前者は炎のゆらめきながら上昇する気流の中に蝶(蛾)が乱舞するのに後者は画面中央上部分の消滅点にむかって同心円が小さくなり、最後の円だけが渦を巻いています。そこに同じような蝶(蛾)が配置されているのですが、ほぼ全部の蝶が消滅点向かって配置されていて動きはあまり感じられません。幻想的でありながら非常にストイックな静寂さえ感じます。

この画家の特性なのでしょうが、これ見よがしのでしゃばりはありません。
1階フロアの壁一面を飾る加山又造の鶴の乱舞のダイナミックさが一層速水御舟の抑制をきわだたせていたようです。

早く山種の収蔵品を常設展示して欲しい。
そういえば、山種証券ってまだあるのかな、どこかに吸収合併されたのかな。

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