ほったらけ

つい1週間ほど前、西武新宿線に乗って出勤途中、車内放送で若い女性車掌さんが、現在、車内クリーンキャンンペーンとかで「車内で読んだ新聞や飲み終わった缶などは、ホッタラケにしないでお持ち帰り下さい。」とすがすがしい声でしゃべっていた。その時車内で「?」という顔をしたのはボクだけだったようだ。
「ほったらけ?」、正しくは「ほったらかし」だろうとブツブツ考え、なまりのあるイントネーションではなかったがどこか地方出身の子かな、感じのよいしゃべり方の子だったな、などとボヤボヤ思い、でも、「ほったらけ」という語感はいいなと結論していました。

そして、今日、昼のテレビで「パイレーツの今」的パートがあり「だっちゅうの!」を見ていてふと「ほったらけ」が思い出されました。
それは今年2009年の流行語はないな、という思いとつながって出てきたのでした。じいさんの頭と感覚で今年の流行語は何だろうと考えても「100年に一度」くらいしか出てきません。民主党が大勝すれば「政権交代」か、いずれにしても若者の流行語ではありませんし、「応用が利かない」ことから流行語ともいえないと思います。

そこでネット検索したら、映画のタイトルで「ほったらけの島」(綾瀬はるか主演)、埼玉県入間市付近の民話が元ネタ、などの知識が得られました。それで西武線か、ではあの車掌さんは確信犯、自主的?会社に言われて?などとまた、ほったらけがきっかけでブツブツ妄想が復活しました。
映画はもう公開されているようです。

で、ほったらけというコトバ。何故、こんなに感じがいいのでしょう。
語感。「ほ」という頬を丸める発音が「った」という吃音に収束して「らけ」というころがりと停止の音で終わる、という構造のせいでは。(もちろん、専門的には間違っていると思います。あくまで私感)
意味論的。標準語のほったらかしはある主体が意志をもってある目的物を放置、遺棄するという犯罪性を含意しているのに対して、ほったらけはほったらかされた目的物の視線からでた意味、行為ではなく状態、するではなくなる(なった)という含意が強い。
というような結論に達しました。

流行語にはなれそうもない、ローカル性、おとなしさも好感の原因でしょう。

よく見たら3Dアニメでした。綾瀬はるかは声の主演でした。
綾瀬はるかってなんとなく「ほったらけ」という感じがしませんか?しないか。
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