ワンフレーズ選挙

都議選は予想外(予想通り)の民主党の圧勝で終わりました。いろいろ分析はあるのでしょうが、小泉さんの郵政選挙で話題になったワンフレーズを考えてみます。

熱心に選挙戦を見ていないので間違っているかもしれませんが、今回は民主が「政権交代」、自民が「景気回復」がワンフレーズだったのではないでしょうか?
安部さんを含め評判倒れの無能・無策(ほんとは有能なんでしょうが)総理が3人も続いたら、100年に1度の危機を乗り越えるのに自民党以外の政党に任せてみるのもいいのではと思うのが当然です。しかも政権交代しても「どうせ代わり映えしない」という安心感もある民主党ですから交替のリスクは少ない。その分、期待値も低くなりますがリスクをヘッジしたのだからリターンは減って当然でしょう。
政権交代、是か非か」と訴求もわかりやすくなります。

一方、自民党の景気回復は「当たり前」のことで期待値が後ろ向きになります。落ちた景気を元に戻す。昔の水準に戻す。という意味内容にとられてしまえば将来、未来に対する希望や安心持ちづらくなります。ウソでもいいから、大して期待しないから夢や希望をそれとなく語って欲しいのです。100年に一度を受け入れてしまった瞬間、「政権交代」という未来を予感させるコトバには負けてしまいます。

では、今度の総選挙はどうでしょう。
民主党はこのまま「政権交代」をワンフレーズにして、細かな政策はバラ色に包み込んでラクな戦いができます。(バラマキの印象をうまく消す必要はあります。自民から財源問題などつつかれないように)
他方、自民党のワンフレーズは開発しがいがあります。八方手詰まり状態ですから、全く違う方向から光をさすか、敵の弱点(つまり、選挙民が持っている民主党に対する潜在的な不平・不満・不安)をつくかの2つのアプローチが考えられます。
前者は東国原を総裁にして「宮崎はどげんともならんかったが、国ならどげんにでもなる」てなワンフレーズ(ツーフレーズになってる?)で戦う戦略もあったと思いますが、すでに挫折したようです。ただ、今はこういった「キワモノ」(失礼)戦略しか通用しないかもしれません。
後者も難しい。民主の敵失といっても鳩山、小沢のカネの問題は決め手になりずらい。政治資金をピーナッツのような粒で扱う政治家はほとんどいないし、粉末状で扱うことは誰でもやっている(らしい)
思いつきだが、派遣村問題に絡めて「民主政権は派遣を禁止するらしい、そうなったら失業者はあふれ、今の正社員だけが保護され、派遣という多様な働き方を奪う格差拡大だ」とでも言いますか?
ここからのワンフレーズ「(民主は)既得権(者)の牙城」、弱いナー。「格差拡大、民主党」ではいかが。

郵政民営化、是か非か」のときの民主党は「日本をあきらめない」だったそうです。