貧乏慣れ

トヨタの工場が休日出勤するようになって、我らが生息するロングテールの先に不況の衝撃波が伝わってきました。うちのようなところにも就職希望者がポツポツと面接に来ています。失職・失業のフリーホールが始まったようです。派遣切りはいうに及ばず正社員も抱えて行けなくなってきた様子です。我々としては、嵐が過ぎるのをじっと待つしか方策はありません。不況こそチャンスなどという、そう言いふらすことで自分は金儲けしようとしている先生方の口車に乗ってはいけません。

そんなことより、貧乏に慣れる訓練です。貧すれど鈍(貪)にならないように日々鍛錬です。マズローの第一段階になったわけではないし、明るい貧乏をしばらく続けることです。もっとも子供の頃はもっと貧乏で、米(麦)を借りて帰ってきた母親を憶えているくらいですからこれしきは何ともないはずですが、年齢がいってからのそれは感覚が違います。

こんな状況下、リサーチで消費者ニーズとか新製品コンセプトとか情緒的価値とかいっても分析に現実味がわきませんが、日本の消費はもうすぐ回復します。買うものがない、魅力的な商品がないとかマスコミが解説していますが、消費とはニーズがあるから発生するのではなく、消費そのものが自己組織化され増殖するのです。生産はコントロールできても消費はできません。過剰と無駄の破壊力こそ消費の本質です。その爆発がいつ起こるかわかれば次は金持ちになれる。まっ、無理か。