狩猟と編み籠

2、3年前から芸術人類学を提唱して多摩美に研究所まで作らせた中沢新一の本で、買ってから1年たって読みました。
中沢新一は出版されたものの8割暗いは読んでいると思いますが、読んでいるときの「語り口」の良さにだまされているような気がしてなりません。
チベットモーツアルト」や「野ウサギの走り」あたりはトンデモ本ともいえ、オウム問題の未整理もなんとなくひっかかっていながら読むということになっています。

対称性人類学で提示した概念を使って映画表現論を試みるといった体裁です。
旧石器時代の人類のイメージと思考と新石器時代以降のそれへの変遷がより納得しやすい印象はありました。一神教原理主義がイメージを恐れる構図もなんとなく理解できたようです。
脳科学による理解との整合性もとれそうです。(本書では脳科学の知見は意識的に使っていないようです)

これからも中沢新一をトレースしていきそうです。