進化倫理学入門

進化論に基づいた倫理学ということらしいですが、納得性は弱いと思いました。
「利己的なのが結局、正しい」と副題にあるようにドーキンス利己的な遺伝子概念で「嘘を付いてはいけないと子供に教える理由」から経済、人間関係、愛情関係、最後に「正しい社会」までを説明していますが、すっきりと納得は出来ませんでした。
生物の多様性や体の仕組みの精緻さはなんとか進化論(ラディカルな)で納得できるのですが、心、倫理、社会に対して進化論では説明(というか納得)しきれないという思いは残ります。
インテリジェントデザイン」論の方に傾きます。
究極の倫理は佐々木閑「出家とはなにか」にある釈迦の姿だと思っているのですが、これは進化論では到底納得させられません。

ダマシオのソマティック・マーカー仮説(p36)ではなお一層説明不可能だと思います。