上村愛子の白馬

デビュー以来、というより自分が注目するようになってから、上村愛子はほとんど変わっていません。長野オリンピックかその後のオリンピックか忘れましたがIBMのCMキャラクターに採用されたときの写真が印象に残っています。
しゃべりかた、笑顔、長いまつげは高校生の時のままです。
当然大人になってはいるのですが、「大人になる=すれてくる」という要素が限りなくゼロに近い。

だいぶ昔、水泳の木原美智子長崎宏子のドキュメンタリーで、素直な(田舎の)高校生が大都会と大人の世界とに衝突して「顔つきが変わる」瞬間を期せずしてカメラが捉えました。
番組制作者も意図しないし、気づきもしなかったであろう瞬間でした。
もちろん2人は、別々のドキュメンタリー番組で取り上げられていたのですが、顔つきが変わる瞬間は非常に似通っていました。
女の子の顔は少女から大人へ生物学的に変わるだけでなく、社会的にも変わるのかと大きな発見をしたような気分になりました。(一般に男のカオは社会的意味が強調されます)

この社会的な顔つきの変化が上村愛子にはないと言えるのです。
最近の立て続けに表彰台の真ん中に立つという快挙を考えても、選手生活が15年以上になることを考えても「社会的ストレス」は相当のもののはずです。
そんな中、高校生の時から変わらない上村愛子のカオはすばらしいと思います。

たぶん、白馬の地が大きなふところで彼女を包んでいるからでしょう。
やっぱりスキーはすばらしい。