サンクコストは意思決定の問題

池谷裕二先生の『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第8弾。今回の盲点はサンクコスト。簡単に言うと選択場面で過去の投資を「取り返すことが不可能」なのにそれを考慮して意思決定すること。人間、生きていればこういった場面はたくさんありあますし、…

アンカリングも悪くない

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第7弾。今回はアンカリング。素早く判断しなくてはならないとき、全体の判断は、冒頭部分の情報に影響されますとして、大きい数値から始まる掛け算の列と小さい数字から始まる掛け算の列の例が挙げられています…

バンドワゴン効果を使ってこそFGI

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第6弾。今回はバンドワゴン効果。この認知バイアスは相当シリアスです。基本は(社会的)同調圧力で、そのさきに「集団的両極限化現象」があります。 インタビュー調査、特にフォーカスグループインタビュー(F…

後知恵バイアスはバイアスか

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第5弾。今回は後知恵バイアス。ことが起こってから振り返ると「前もって予測できた」「本当なら実行できたのに」と思いがちなのが人間です。例にあがっているのは、遅刻しそうになっていつもと違う道を選んだら…

常套手段の情報フレーミング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第4弾。今回の「情報フレーミング」はマーケティングの世界では常に活用されている認知バイアスと言える。 池谷先生の事例は、ダイエット進行中の人が肉を買いに来た時、「赤身75%」「脂身25%」の2つの表示ではどち…

擬似的空間無視とアイトラッキング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第3弾。今回は認知バイアスは擬似的空間無視、リサーチはアイトラッキングがテーマです。 擬似的空間無視とは、「一般に右利きの人は、視野の左側を重要視します。映像処理は右脳のほうが得意だからです」と説明されて…

確証バイアスとマーケティング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタにマーケティングリサーチを語る第2弾。今回は、最もよく話題になるのではないかと思っている「確証バイアス」 池谷先生は、我々の脳は、「自分の仮説や信念」に一致する例を重要視する傾向があると、確証バイアスを説…

利用可能性ヒューリスティックと質問文

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタに定性調査の質問の仕方、定量調査の質問文の作り方の注意点をシリーズで書いていく。今回は第1回。 ①古くから「愛の力は金にまさる」と言われますが、そう思いますか ②古くから「金の力は愛にまさる」と言われますが…

マズローの発展5段階説

欲求段階解説のマーケティング的解釈の備忘録 1980年代にマズローによって提唱された人間の欲求の発展段階説。 ヒトの成長、発達段階を順を追って解説したもので、生物としての存在からやがては唯一無二の「何か」になろうとする人間の欲求を5段階に分けた…

認知的不協和論

認知的不協和をマーケティング視点でまとめておく備忘録 認知的不協和とは消費者の認知・行動特性のこと。 人はある(選択)行動を行うと必ず「それとは反対の行動の方がよかったのでは」との認知の不協和が生まれる。(ベンツを買ったけど、「BMWの方がよか…

ペルソナにしばられる

ペルソナに基づいたマーケティングを企画していると非常に「不自由」を感じることがある。ペルソナが、わがままで頑固な上司のようにふるまってこちらの自由な発想を頭から否定してくるように感じるのだ。「ここはこの方向で行きたい」と考えるのに「イヤ、…

ペルソナビルドは平均値思考を捨てること

マスマーケティングが否定され、市場や消費者は必ずセグメントされ、セグメントの中からターゲット層を選定する。 そのターゲットに向かってマーケティング努力を集中させるためにターゲットのプロファイリングを行う。 プロファイリングは、性・年齢などの…

使える調査結果をめざして

マーケティングリサーチは、マーケティングの意思決定に使うために実施される。 使われてなんぼのもので、報告書の出来不出来はあまり関係ない。 たった2、3行の文章の1枚ペラでも膨大なグラフとあふれるコメントの大報告書でも価値基準は「使えるか(使えた…

消費者(調査対象者)の3つのアポリア

われわれのモデレーション・分析は、以下の前提に基づいている。 モノやサービスを買ったり、使ったりするとき、消費者は自分の行動や感情に「意識的」でない(気づいていない)のが普通なので、ブランド選択理由を聞かれても答えられない。(そんなこと聞か…

マーケティング的プロービング

アウラでは、インタビュー調査のプロービングに以下の5つの方法をあげてきた。 この原則に大きな変更の必要はないが、プロービングする側(モデレーター)のスタンスに違いがあることを考える必要がある。 モデレーターのスタンスが、カウンセリング的立場か…

「老」と健康コンセプト

自分が年老いた、若くないと実感するのはいつごろだろうか。若者のインタビューで高校生(男子)が中学生(厨房)を見ていて、「あいつら若いな!もうあんな元気は俺にはない」とつぶやいたのが最も早い老いの実感である。女性の場合は高校生くらいの肌を見…

老・病・死と健康コンセプト

健康が飲・食品市場のゆるぎないコンセプトとなったのはいつからだろうか。 おいしさ、便利さ、手軽さなどのコンセプトが当たり前になりすぎて、刺激的な味にも飽きがきて、差別化できるコンセプトが無くなった。世の中も高齢化で成長よりも現状維持がなんと…

『行動経済学の逆襲』

しばらく行動経済学関連の読書をしてなかった。タイトルはイマイチだが、セイラー先生の本をよみながら、もう一度頭を整理しようかと。 本流経済学が想定する「エコン」は「合理的期待」に基づいて選択しており、限られた予算の下で最良のものを選ぶ「制約付…

時間収支仮説と社会脳仮説

ロビン・ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』は社会脳仮説と時間収支仮説で現生人類がこのように繁栄したかを説明している。 時間収支仮設とは、現生人類を含む類人猿は集団を作って生活していた。そのときの課題は、時間収支のバランスをとらないと群れ(…

ブランドイメージと実体験

48回アウラセミナーは「ブランドイメージを考える」だった。 ここではB2C市場のブランドに限定した。 ブランドイメージの形成過程には、そのブランドの実体験、つまり具体的な接触、今回で言えば、当該ブランドの実購入・使用、CMとの接触が基本であ…

アイトラッキング分析心得

備忘録としてのアイトラッキング分析の心得<準備・企画>・「とりあえずアイトラやってみよう」は避ける・作業仮説を作る。画面(画面、紙面、三次元)のどこに問題がありそうか仮説を作る(目立たない、要素が多すぎる、他) ・データを撮る画面を絞る。画…

選択盲と作話

選択盲は、自分が「好き」と選んだもの(例えば異性の写真)を少しの時間をおいてすり替えられて提示されても、その間違いに気づかないだけでなく、提示された異性の良い点や好きな理由を語りだすというヒトの認識のいい加減さ、不正確さのことをいう。 少し…

人口知能について自分の現在の理解・メモ

まだまだ理解が足りていないが、振り回されないための記録。 人工知能とはディープラーニングと同義で、ディープラーニングはニューラルネットワークによっている。 ディープラーニングの基礎であるパーセプトロンは1950年の古いアイディア。 パーセプトロン…

マジカルナンバー「7」は古い知識

「Sideswipe」というブログのアドベントカレンダーを読み終えた。 すばらしい内容で自分の無知を大いに啓いてもらった。 その中では、瑣末な知識だが、ミラーの短期記憶のマジカルナンバー7という知識はもう、古すぎるということで決着が(自分の中で)つい…

パッケージデザインの評価のためのメモ

消費財のPKデザイン評価の雛形を作りたい。 そこで、まず、パッケージの基本的な価値構成を考えた。 素材 紙(ダンボール)、木、ガラス、陶器、金属 材質 透明、遮光、光沢・マット 形態・フォルム 袋、箱、円筒(缶)、立方体、首ビン、広口ビン、自立・ピロー さ…

対象者からみた対象者人数

先日のアウラセミナーでフォローアップインタビューを実施した。 フォローアップインタビューとは、通常通りインタビューが終了したあと、全く別のモデレーターが入ってきて今終わったインタビューを振り返る、というものである。 目的は、 ・テーマの理解度…

ワーキングメモリーのマジカルナンバー(4人インタビューの根拠)

アクティブインタビューの研究をしている中で、FGI対象者の最適人数は4人であるとの結論を得たのだが、論理的な説明ができないで苦労していた。 ミラーの「マジカルナンバー7」は短期記憶の話だからFGIの人数の説明には使えないし、そもそも7±2で…

何故、4人がベストか

FGIの対象者は4人がよいという話。 自分の体感からの結論でうまく説明できない。 印象的なことしか言えないが少し考えてみた。 モデレーションをやっている人はわかると思うが、対象が6人いると「この人、今、何を考えているんだろう」ということが、モ…

FGIの対象者は4人に限る

その昔、10人以上、確か14、15人のインタビューの司会をやったことがある。 グループインタビューにはならず、シンポジウムの司会のようなものだった。 そのころは、FGIの対象者は8人が普通であったと記憶している。 ただ、8人の対象者を相手にすると半…

対象者は「いる」のではなく「なる」もの

1月7日にDayByDayインタビューをやって確信したことは、対象者とはそこにいる生活者がそのままインタビュー会場に「いる」のではなく、インタビュー会場で対象者に「なる」ものだという事実である。DayByDayインタビューとは、同じ対象者に…