メタファーを引き出す

プロービングとメタファーは本来、なじまないかもしれない。 プロービングは不完全さを補うことを目的とするが、メタファーは完全さを崩す、曖昧さを増やす方向で使われるからであろう。 「ポッキーはカワイイ」に対して『どこが、どうかわいいの?』『お菓…

世の中、関係の網の目の中

プロービングの第2のポイントは、対象者の発言を関係性を意識させるようにすることである。 世の中は関係性の網の目の中にいるが、個人の発言は関係性を考慮した後の「エッセンス」だけともいえる。 「ポッキーが大好き」という発言はどういう関係性の中で…

プロービングは活性化のために

プロービングと尋問は「似て非なるもの」 プロービングは「正しい」回答に収束させるためだけでなく、発散させる方向性もある という2点はすでに書いた。 今回は、「時間的、空間的拡がりをうながす」プローブテクニックについて。 時間的な広がりを促すプ…

クチコミの方向性(口コミの昔、今)

インターネットがなく、テレビ全盛時代はTVなどのマスコミに対応するものとして口コミがあった。 口コミはほぼ「噂」と同義語で、よく、豊川信用金庫の取り付け騒ぎが口コミ=噂の実例として取り上げられていた。 マーケティングでは、「悪い噂(製品の欠…

グループからチームへ

FGIの「グループ」は「ミニマーケット」を作る単位と考えていた。 調査のために恣意的に集めたのに「こういう人達はどれくらい存在するのでしょうね?」とあたかも代表性のある抽出をしたかのような錯覚で質問してくる人もいて閉口していた。 そこでFG…

データの見えざる手

久しぶりに面白い本に出会った。 感想は、 ・ この本でビッグデータのなんたるかと可能性が理解できた。 ・ 名札型ウェアラブル端末で行動(加速度)と接触・会話(内容は取れない)でデータを収集すること ・ 人間の感情や仕事量が「動き」から解析できるこ…

プロービング

一般的なインタビューとは、 ・インタビュアーとインタビュイーがいて ・インタビュアーはインタビュースクリプト(聞きたいことの一覧)をつくる。 (インタビュイーの方が上位だと事前に提出を求められる) ・インタビュー時間が決められ(インタビュイー…

Pマーク

ベネッセも当然、Pマークを取っていた。 たぶん、ベネッセが下請け業者を使う場合も相手がPマーク保持業者かどうかをチェックしていたはず。 (チェックしてないか?) そして今回の情報流出。 原因が犯罪行為とはいえ、Pマーク審査が二重にも三重にも無効…

セグメンテーションとペルソナビルド

マーケティングやマーケティングリサーチではセグメンテーションが基本である。 マーケットをセグメントし、ユーザーをセグメントしないとマーケティングは前に進めない。 セグメントし、そのセグメントのプロファイリングを行ってターゲットの特徴を把握し…

ペルソナのアクティビティシナリオ

ペルソナを作りましょう、ということになると、 名前、住んでいる街、家族構成、仕事、趣味・特技、SNS、読書傾向、音楽傾向、運動。。。。。。。 と項目を挙げて行き、どんな人かをプロファイリングしようとするのが一般的であろう。 しかし、この方法だ…

メタファー法

モデレーションをやっていてイライラするのは対象者のステレオタイプな反応である。 「もっと自由に、少しブッ飛んでもいいから」と促したくらいでは何の変化もない。 世間の常識、自分が得ている情報、テーマに対する関心度、関与度などの制約があるのは理…

定性調査という呼び方

定性調査という呼び方はいつごろから定着したのだろう? マーケティングリサーチというと自動的に定量調査をを想定し、抽出と調査票作成が仕事として浮かび上がって来ていたのが初期の状況だと思う。 グループインタビューという形式でアメリカから輸入され…

面接重視・人物重視

サラリーマン生活中に、中途採用者の面接を何回か受け持った。 面接で期待できるとした人が入社後伸びなかったり、面接でイマイチだった人が現場で使える人材だったりの結果が多く、自分は「人を見る目がない」と自覚した。 面接官がだまされるのは、 ・人あ…

エビングハウスの錯視とアイトラッキング

『記憶のしくみ』ネタ。下巻p143からエビングハウスの錯視は、大きい丸に囲まれた中心の丸と同じ大きさの丸が、前者よ比較的小さい丸に囲まれた場合では、大きさが違って見える。(小さい〇で囲まれた方が大きく見える)ことをいうらしい。 ここで、さらに…

「記憶のしくみ」

ブルーバックスの『記憶のしくみ』上下をやっと読み終わった。 最初は復習的でわかりやすいとおもっていたが、なかなか手ごわかった。 記憶には陳述記憶と非陳述記憶があり、それぞれ違った「しくみ」を持っている。 陳述記憶は意識的な「想起」を非陳述記憶…

たまごとにわとり

ここ何回か「定性調査(FGI)の質が落ちた」「少なくとも質は向上していない」という耳の痛い話を聞いた。 言わんとすることは、モデレーションに工夫がなく分析に切れがない、ということである。 まあ、昔からあるマーケティングリサーチへの批判(リサ…

ブランドイメージとアクティブインタビュー

マーケティングリサーチでブランドイメージというとまず、SD法による測定が思い浮かぶ。 通常は対極のイメージワード(多くは形容詞)を用意し、間を5段階に区切ってそれぞれのブランドの位置を調査して集計して平均点を出してポジションするという方法が…

ワークライフバランス

ワークは仕事で、仕事は本来の生活ではなく生活を支えるための不本意な苦行に近いものである。 ワークに偏った生活は悲惨で、ワークの反対側にあるライフの時間とのバランスを取る必要がある。 だから、残業しないで定時に仕事を終えて趣味や勉強、家族と過…

到達

41歳で銀メダルなんて信じられない。 そこまで訓練・練習を続けて、後輩に抜かれることなくトップクラスの力を保持したことに驚く。 ジャンプという競技人口が少ないスポーツだったこともよかったのだろう。 一方、とうとうメダルに届かなかった上村愛子はど…

ライブの価値とアクティブインタビュー

ネットの進化によってCDが売れなくなり、音楽家、演奏家のビジネスモデルが変化を迫られているというのは、ジョブスがAppStoreを立ち上げてからであろう。 新しいビジネスモデルとしてライブを中心に活動し、グッズ販売などを連動させて利益を確保し、CD…

リニューアルの鉄則

よく調べてないが、アサヒスーパードライが味も含めた大がかりなリニューアルを進めているらしい。 その間に一番搾りもパッケージを変え、タレントを嵐にしたということである。 発泡酒や第三のビールの市場で戦ってきたビールメーカーが本来の戦場に戻って…

サンプルからコミュニティへ

2014年1月に実験的にやった『アクティブインタビュー』は成功だった。 アクティブインタビューのコンセプトは、従来の「場を盛り上げるが、冷たい観察者」と「聞かれたことに回答する、他人の意見に付和雷同しない自立した消費者」がテーマについて話し合う…

シニア市場のセグメント

シニアを個人の年齢で定義するのは普通のことである。 ところが、子供(18歳くらいまで)を年齢で定義するのとは大いに違ってくる。 幼稚園、小学校、中学校、高校までくらいは年齢の刻みと属性がほぼ一致しているだろう。 ところがシニアは年齢だけでは刻め…

シニアが求めるモノ

シニアが求めるモノというと健康がまずあげられるかもしれない。 シニア市場を考えると健康を避けて通ることはできない。 タバコはとっくにやめて、酒も控えて、夜更かしもせず、暴飲暴食に気をつけて定期健康診断を欠かさないどころか人間ドックまでやって…

アクティブなシニアって

シニア市場はある意味偏見が満ちている。 そのひとつが「アクティブシニア」というとらえ方である。 まず、この概念はシニアはアクティブではないという偏見から始まる。 加齢はアクティブさを失う方向への圧力と考え、その圧力に長年さらされてきたシニアは…

一喜一憂

「そんなに一喜一憂するな。腰がすわってないじゃないか」というような使われ方が多いのだろう。 最終結果は出ていないのに場面場面の状況や途中経過に喜んだり憂いたりすることを戒める表現である。 先が読めない子供や素人は一喜一憂し、経験を積んだ大人…

学校も会社もない

シニアマーケットの定義そのものが人によって違う。 ・単純に年齢で切る方法 ・ライフステージで切るやり方(末子が大学入学・卒業、同居の子供がゼロになった、他) ・経済状況で切るやり方(世帯主が完全退職した、主な収入が年金だけになった) などが考…

シニアのインタビューと他己紹介

グループインタビューではまず対象者お互いの自己紹介から始まるのが普通だ。 個人のプロファイリングとラポール形成が主な目的である。 一般に若い男性(高校生くらいから)が最も苦手(盛り上がらない)でジニアの女性が最も得意(盛り上がるし、プロファ…

あげたがり屋

シニア市場を考える時「あげたがり屋」ということを思いついた。思いつきだけでまとまってはいない。 蕎麦打ち、カメラ、旅行がシニア層男性の行く着く先だという風なことはよく聞く。 蕎麦打ちを除けば、若者達にも写真撮りたがり、旅行好きは多い。 写真と…

モデナリスト宣言

ビッグデータにはデータサイエンティストがつきもの?だが、我々が提唱している「アクティブインタビュー」に「つく」ものは何かを考えた。 それが「モデナリスト」である。 あまり、センスがいいとは思わないが。ModeratorとAnalystでModenalystという造語…

ある能力

『問いのない答え』長嶋有がおもしろい。 その中に『世の中何を楽しむのにも能力が必要だ』というのが出てきた。 ちょうどシニア層のインタビューをした後だったので妙に響いた。 小説読んで楽しむのにもある能力がもちろん必要だし、いわゆる「遊び」とくく…

あまりきつく縛らない

品質管理の思想は「設定した基準に満たない不完全なものは捨てる。採用しない」ということであろう。 統計データでもこの考えが強く、不完全なデータ、欠測値を含むデータは採用しないのが普通である。 データ量が極めて少ない場合は、欠測値を既知データか…

シニアの帰巣本能

60代の女性2人。 ひとりはクルマの運転の話。 近所の買い物でも何でもクルマで、毎日のように運転し、運転は好きだと言っていた。 そのうち、驚くべき発言が。 「自宅からスーパーに運転して行って、次に市役所に行く用事があったとして、スーパーから市…

シニアから見たスマホ

最近、ケータイを買い替えたのにスマホにしなかったシニア女性に「なぜ、スマホにしなかったか」というインタビューを実施した。理由は、スマホの魅力要因が、自分の魅力要因になっていない。ということであった。 気取って言えば、「スマホの魅力が内在化し…

シニアは正しく人生を歩んできた

「もう、人生をやり直す時間はない!」という自覚が「年寄」が出来上がる瞬間かもしれない。 例えば、今、あなたが20歳代である会社に就職して充実とは遠い仕事をしていて、我慢の限界になれば転職して仕事人生を「再スタート」できる。 それどころか、学…

利用可能性ヒューリスティック

『ココロの盲点』池谷裕二の認知バイアスの第一番目に「利用可能性ヒューリスティック」があげられている。ヒューリスティックは、カーネマンの言う「システム1」の思考・行動で、反応が早い。 その分、論理性を犠牲にするので「間違い」やミスが入り込みや…

情報フレーミング

『ココロの盲点』p16〜19 に「情報フレーミング」が出ている。池谷さんの事例は、ダイエット中の人が「赤身75%」のひき肉と「脂身25%」のひき肉とではどちらが選ばれやすいかという設問で、どちらも同じ中身なのに「赤身75%」の方が選ばれやすい。…

コンセプトチェックのハロー効果

『ココロの盲点』p40〜43 ハロー効果ハロー効果は「人は見た目が〇〇%」ということである。 この本では、美人が窃盗を犯した場合は「(あんな美人が盗むなんて)何か理由があるんだろう」と罪が軽くなるのに対して、同じ美人が詐欺罪でつかまると「天賦の…

バンドワゴン効果

『ココロの盲点』池谷裕二p24〜 にバンドワゴン効果という認知バイアスが載っている。このバイアスはグループインタビューでしばしば、観察できる。 グループインタビュの場そのものが、いわゆるバンドワゴンの典型ともいえる。 ある商品・ブランドを使って…

選択盲

池谷裕二『ココロの盲点』p68〜p71に変化盲と選択盲が取り上げられている。インタビュー調査で問題にすべきは選択盲であろう。 変化盲は単なる「錯覚」でよいが、変化盲は分析結果にしばしば影響を与える。 例えば、コンセプトPQの一対比較のインタビュ…

スポーツ観戦

フィギュアスケートというものに関心がなくなったと最近、気づいたのだが、よくよく考えるとスポーツ観戦そのものに興味がなくなったようだ。 神宮球場に1回も行かない年がこれで3年以上になるし、ツールドフランスも今年100回記念でありながら見なかった…

プロービングと尋問

インタビュー調査にはプロービングがつきものである。 この背景には、 ・対象者の発言は常に不完全 ・対象者は平気でウソをつく という不信感がある。 これは悪いことではなく、有効なインタビュー結果を得るためには必要な態度である。 昨日のエントリーで…

パロール・リテラルとインタビュー・MROC

パロールを発話とし、リテラルを書記と考える。 同じ日本語でも発話(パロール)で使うものと書記(リテラル)で使うもの(コトバとその意味、解釈)には違いがある。・発話は識字(リテラル)や文法を前提としないが、書記は識字と文法を無視しては成り立た…

一般生活者のWebの使い方

グループインタビューに協力してくれる人たちだから代表性はないが、Webの使い方で気づいたことを列挙しておこうと思う。?PCからスマホへの大きな流れ。 その昔も引っ越ししたりでPCのネット接続をやろうとしても面倒でガラケーのネット接続でも日常…

南向き斜面に眠る

お彼岸に行けば、春のお彼岸まで墓参りなんぞには行かないのだが、フっと気が向いてチャリで出かかけた。 父親の墓には父親の両親と父親の弟(一生独身)と本人が入っているはずである。 だから、たぶん生前に自分で購入したのだと思う。ことによったら祖父…

ハイコンテクストを演出して、ローコンテクストな分析を行う

與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』の中に「グローバル化とは、ハイコンテクストだった社会(日本)がローコンテクストな状態に移行していくこと」と書いていた。 英語ができようができまいが関係なく、コンテクストを共有しない他人や集団に対して自分の立…

アクティブインタビューの「場」

場の理論というと宇宙物理学を思い起こすが、社会学にも「場の理論」というのがある。 個人や集団の行動は、その個性・特性だけでなく、それがおかれた立場や環境によっても影響される。という内容である。 理論というほどのこともないが、そう言うらしい。 …

アクティブインタビューの対象者

昨年、「サンプルからスウォームへ」という記事を書いたが、ここで、アクティブインタビューの対象者を考えてみる。 多少の無理は承知で以下のように調査対象者と調査方法論を対応させた。サンプルの時代 野生状態 標本理論による訪問面接調査 モニターの時…

アクティブインタビューのモデレーション

アクティブインタビューのためのモデレーターのポジションは以下のなかで、もちろん4番目である。 ここに至る方法論(道筋)はうまく説明(マニュアル化)できない。 モデレーターの態度 場への関わり 行 動? 完全な観察者 いれこむ 質問モレがない ? 参与…

アクティブインタビュー?

昨日はプリンシパル(クライアント)とエージェント(調査会社=モデレーター)の情報の非対称性を考えた。 二重の非対称性を情報の力関係で解消させてモラルハザードは起きにくいとした。 しかし、ここで、もう少し考えてみよう。まず、「製品や市場に関し…