3人インタビューの可能性

第4回アウラ・コキリコセミナーで3人インタビューの実験を行った。その結果の速報。 対象者が3人いればFGIが成立した。終了後の対象者3人へのフォローアップインタビューでも「なんとなく仲間意識ができた」「3人だとだれがどんな人で、どんなことを発言…

半数以上が「天然」だという集団は?

19弾は「平均以上効果」あなたは公平に振る舞っていますかの質問にほぼ100%の人が「自分は平均より公平に振る舞っている」と回答する。平均の概念が統計学的なものと違っているといってもやはりおかしい気がする。これを「平均以上効果」と言う。クルマの運…

「伝染効果」で組織活性化

第18弾は『伝染効果』野球の例で、絶好調の選手がいるチームでは他の選手の成績(打率)も上がる。というデータから絶好調選手からの「伝染効果」を説明しています。もちろん「鶏が先か卵が先か」の錯誤にも言及しています。つまり、チーム全体が上り調子だ…

変化盲と選択盲を前提にしたモデレーション

第17弾は変化盲・選択盲。ヒトの認知や意思決定行動の説明がいかにいい加減かという、昔から言われている変化盲・選択盲。ホテルのフロントで対応するホテルマンがやり取りの途中で男性から女性に入れ替わってもほとんどの人は気づかない。多数の写真の中か…

ステキな錯誤

第16弾は「記憶錯誤」。『ココロの盲点』の中でもMRにとって重要なバイアスです。我々は消費者(調査対象者)の記憶を調査しているといっても過言ではありません。このひと月の間に何を、どこで買って、どうしたか、評価はどうだったか、などをいつでも調査…

スローよりもファーストな意思決定をみがけ!

第15弾はかの有名なプロスペクト理論。『ココロの盲点』のなかでもこれだけが「理論」と標記され、効果とは違った深さを感じさせる。カーネマン・トベルスキーの『ファースト&スロー』は読んではいる。人(の脳)は冷静に落ち着いてスローな判断よりも感情…

自分のものはかわいい

『ココロの盲点』シリーズ第14弾は保有効果。脳は手に入れたものに愛着を感じ、手放すことに抵抗を感じる傾向があるそうです。持っているCDを友人が欲しいと申し入れた時、多くの人は買った時の値段以上の値付けをする。持っている株の売り時が遅れる、読ま…

繰り返しと発話・発語でブランドロイヤリティ

『ココロの盲点』シリーズ13弾目。テスティング効果。池谷先生の得意分野の記憶の問題。脳はインプットよりもアウトプットを重視して記憶すべきこと、長期記憶に保存すべきことを判断している。だから、明日の試験対策としては、たくさん憶えようとインプッ…

「少数の法則」はリサーチャーの宿命

『ココロの盲点』シリーズ第12弾は 「少数の法則」。少数の法則だけでは何なのかさっぱり見当がつきません。本では、ハトにブザーが鳴ったときにレバーを押せば餌が出る訓練を充分に行い、「ブザー → レバーを押す → 餌にありつける」との学習が成立したとこ…

状況をどう枠取りするかで評価が正反対のことも

『ココロの盲点』シリーズ第11弾はフレーミング効果。本の事例は、コンサート会場に前売り券を忘れて来た人と、来る途中で入場料と同じ額を落としてしまった(前売り券無し)人で、会場で切符を買う可能性はどちらが高いか。に対して後者であるとしています…

ハロー効果とインフルエンサーマーケティング

『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第10弾は「ハロー効果」。ハローとは聖像の頭部上に描かれている輝く環(輪)のことだそうです。仏像でいうと「後光、光背」のことでしょう。宗教的解釈になると「わけもわからず恐れ多い」「思わずひれ伏す」状況…

モデレーターの口紅の色は赤

『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第9弾。今回は「色彩心理効果」です。いろいろな色の服を女性の写真を見せたところ、赤い服が一番魅力的とされた事例をあげ、その理由として赤は血の色で、赤いと言うことは毛細血管に血液が広がっていて生き生きし…

サンクコストは意思決定の問題

池谷裕二先生の『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第8弾。今回の盲点はサンクコスト。簡単に言うと選択場面で過去の投資を「取り返すことが不可能」なのにそれを考慮して意思決定すること。人間、生きていればこういった場面はたくさんありあますし、…

アンカリングも悪くない

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第7弾。今回はアンカリング。素早く判断しなくてはならないとき、全体の判断は、冒頭部分の情報に影響されますとして、大きい数値から始まる掛け算の列と小さい数字から始まる掛け算の列の例が挙げられています…

バンドワゴン効果を使ってこそFGI

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第6弾。今回はバンドワゴン効果。この認知バイアスは相当シリアスです。基本は(社会的)同調圧力で、そのさきに「集団的両極限化現象」があります。 インタビュー調査、特にフォーカスグループインタビュー(F…

後知恵バイアスはバイアスか

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第5弾。今回は後知恵バイアス。ことが起こってから振り返ると「前もって予測できた」「本当なら実行できたのに」と思いがちなのが人間です。例にあがっているのは、遅刻しそうになっていつもと違う道を選んだら…

常套手段の情報フレーミング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第4弾。今回の「情報フレーミング」はマーケティングの世界では常に活用されている認知バイアスと言える。 池谷先生の事例は、ダイエット進行中の人が肉を買いに来た時、「赤身75%」「脂身25%」の2つの表示ではどち…

擬似的空間無視とアイトラッキング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第3弾。今回は認知バイアスは擬似的空間無視、リサーチはアイトラッキングがテーマです。 擬似的空間無視とは、「一般に右利きの人は、視野の左側を重要視します。映像処理は右脳のほうが得意だからです」と説明されて…

確証バイアスとマーケティング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタにマーケティングリサーチを語る第2弾。今回は、最もよく話題になるのではないかと思っている「確証バイアス」 池谷先生は、我々の脳は、「自分の仮説や信念」に一致する例を重要視する傾向があると、確証バイアスを説…

利用可能性ヒューリスティックと質問文

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタに定性調査の質問の仕方、定量調査の質問文の作り方の注意点をシリーズで書いていく。今回は第1回。 ①古くから「愛の力は金にまさる」と言われますが、そう思いますか ②古くから「金の力は愛にまさる」と言われますが…

マズローの発展5段階説

欲求段階解説のマーケティング的解釈の備忘録 1980年代にマズローによって提唱された人間の欲求の発展段階説。 ヒトの成長、発達段階を順を追って解説したもので、生物としての存在からやがては唯一無二の「何か」になろうとする人間の欲求を5段階に分けた…

認知的不協和論

認知的不協和をマーケティング視点でまとめておく備忘録 認知的不協和とは消費者の認知・行動特性のこと。 人はある(選択)行動を行うと必ず「それとは反対の行動の方がよかったのでは」との認知の不協和が生まれる。(ベンツを買ったけど、「BMWの方がよか…

ペルソナにしばられる

ペルソナに基づいたマーケティングを企画していると非常に「不自由」を感じることがある。ペルソナが、わがままで頑固な上司のようにふるまってこちらの自由な発想を頭から否定してくるように感じるのだ。「ここはこの方向で行きたい」と考えるのに「イヤ、…

ペルソナビルドは平均値思考を捨てること

マスマーケティングが否定され、市場や消費者は必ずセグメントされ、セグメントの中からターゲット層を選定する。 そのターゲットに向かってマーケティング努力を集中させるためにターゲットのプロファイリングを行う。 プロファイリングは、性・年齢などの…

使える調査結果をめざして

マーケティングリサーチは、マーケティングの意思決定に使うために実施される。 使われてなんぼのもので、報告書の出来不出来はあまり関係ない。 たった2、3行の文章の1枚ペラでも膨大なグラフとあふれるコメントの大報告書でも価値基準は「使えるか(使えた…

消費者(調査対象者)の3つのアポリア

われわれのモデレーション・分析は、以下の前提に基づいている。 モノやサービスを買ったり、使ったりするとき、消費者は自分の行動や感情に「意識的」でない(気づいていない)のが普通なので、ブランド選択理由を聞かれても答えられない。(そんなこと聞か…

マーケティング的プロービング

アウラでは、インタビュー調査のプロービングに以下の5つの方法をあげてきた。 この原則に大きな変更の必要はないが、プロービングする側(モデレーター)のスタンスに違いがあることを考える必要がある。 モデレーターのスタンスが、カウンセリング的立場か…

「老」と健康コンセプト

自分が年老いた、若くないと実感するのはいつごろだろうか。若者のインタビューで高校生(男子)が中学生(厨房)を見ていて、「あいつら若いな!もうあんな元気は俺にはない」とつぶやいたのが最も早い老いの実感である。女性の場合は高校生くらいの肌を見…

老・病・死と健康コンセプト

健康が飲・食品市場のゆるぎないコンセプトとなったのはいつからだろうか。 おいしさ、便利さ、手軽さなどのコンセプトが当たり前になりすぎて、刺激的な味にも飽きがきて、差別化できるコンセプトが無くなった。世の中も高齢化で成長よりも現状維持がなんと…

『行動経済学の逆襲』

しばらく行動経済学関連の読書をしてなかった。タイトルはイマイチだが、セイラー先生の本をよみながら、もう一度頭を整理しようかと。 本流経済学が想定する「エコン」は「合理的期待」に基づいて選択しており、限られた予算の下で最良のものを選ぶ「制約付…

時間収支仮説と社会脳仮説

ロビン・ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』は社会脳仮説と時間収支仮説で現生人類がこのように繁栄したかを説明している。 時間収支仮設とは、現生人類を含む類人猿は集団を作って生活していた。そのときの課題は、時間収支のバランスをとらないと群れ(…

ブランドイメージと実体験

48回アウラセミナーは「ブランドイメージを考える」だった。 ここではB2C市場のブランドに限定した。 ブランドイメージの形成過程には、そのブランドの実体験、つまり具体的な接触、今回で言えば、当該ブランドの実購入・使用、CMとの接触が基本であ…

アイトラッキング分析心得

備忘録としてのアイトラッキング分析の心得<準備・企画>・「とりあえずアイトラやってみよう」は避ける・作業仮説を作る。画面(画面、紙面、三次元)のどこに問題がありそうか仮説を作る(目立たない、要素が多すぎる、他) ・データを撮る画面を絞る。画…

選択盲と作話

選択盲は、自分が「好き」と選んだもの(例えば異性の写真)を少しの時間をおいてすり替えられて提示されても、その間違いに気づかないだけでなく、提示された異性の良い点や好きな理由を語りだすというヒトの認識のいい加減さ、不正確さのことをいう。 少し…

人口知能について自分の現在の理解・メモ

まだまだ理解が足りていないが、振り回されないための記録。 人工知能とはディープラーニングと同義で、ディープラーニングはニューラルネットワークによっている。 ディープラーニングの基礎であるパーセプトロンは1950年の古いアイディア。 パーセプトロン…

マジカルナンバー「7」は古い知識

「Sideswipe」というブログのアドベントカレンダーを読み終えた。 すばらしい内容で自分の無知を大いに啓いてもらった。 その中では、瑣末な知識だが、ミラーの短期記憶のマジカルナンバー7という知識はもう、古すぎるということで決着が(自分の中で)つい…

パッケージデザインの評価のためのメモ

消費財のPKデザイン評価の雛形を作りたい。 そこで、まず、パッケージの基本的な価値構成を考えた。 素材 紙(ダンボール)、木、ガラス、陶器、金属 材質 透明、遮光、光沢・マット 形態・フォルム 袋、箱、円筒(缶)、立方体、首ビン、広口ビン、自立・ピロー さ…

対象者からみた対象者人数

先日のアウラセミナーでフォローアップインタビューを実施した。 フォローアップインタビューとは、通常通りインタビューが終了したあと、全く別のモデレーターが入ってきて今終わったインタビューを振り返る、というものである。 目的は、 ・テーマの理解度…

ワーキングメモリーのマジカルナンバー(4人インタビューの根拠)

アクティブインタビューの研究をしている中で、FGI対象者の最適人数は4人であるとの結論を得たのだが、論理的な説明ができないで苦労していた。 ミラーの「マジカルナンバー7」は短期記憶の話だからFGIの人数の説明には使えないし、そもそも7±2で…

何故、4人がベストか

FGIの対象者は4人がよいという話。 自分の体感からの結論でうまく説明できない。 印象的なことしか言えないが少し考えてみた。 モデレーションをやっている人はわかると思うが、対象が6人いると「この人、今、何を考えているんだろう」ということが、モ…

FGIの対象者は4人に限る

その昔、10人以上、確か14、15人のインタビューの司会をやったことがある。 グループインタビューにはならず、シンポジウムの司会のようなものだった。 そのころは、FGIの対象者は8人が普通であったと記憶している。 ただ、8人の対象者を相手にすると半…

対象者は「いる」のではなく「なる」もの

1月7日にDayByDayインタビューをやって確信したことは、対象者とはそこにいる生活者がそのままインタビュー会場に「いる」のではなく、インタビュー会場で対象者に「なる」ものだという事実である。DayByDayインタビューとは、同じ対象者に…

マクドナルド低迷の原因は「見えてしまっている」こと

1月7日に2回目のハロウィンインタビューの実験をおこなった。 今回はDayByDayインタビューの試みも兼ねて、12月4日のセミナーのFGIに呼んだ同じ対象者に同じテーマで呼んだ。 幸い5人とも参加してもらった。 テーマま前回12月4日と同じ「マクドナ…

Day by Dayインタビューとハロウィンインタビュー

2010年にDaybyDayインタビューという方法論を提案してそのままになっていました。 2014年の後半からはハロウィンインタビューという思いつきをなんとか方法論にまでしたいと考えています。 そして、この2つの方法論は融合できるのではない…

感覚器からと脳からのデータ

アイトラッキング分析を体験したマーケター、リサーチャーは多いと思います。 一方で、脳波データを取得して分析した体験のある方は少ないかと思います。 そのいずれもデータは取得できたが、どう分析・解釈できるのかがよくわからない状態だったのではない…

競争の科学

論旨が崩れたり、エビデンスが不十分だったりで少しトンデモのにおいがするが、おもしろかった。 ほとんどの場面で競争があった方がパフォーマンスは上がる。 ただ、パフォーマンスに変化がない人、競争下ではパフォーマンスが下がる人もいる。 適応競争力と…

ハロウィンインタビュー

ハロウィンの仮装を見ていて、ふと、ひらめいた。(たいしたひらめきではない) ハロウィンインタビューもしくはハロウィン法と名づければよいのだ。と。 38回のアウラセミナーで「なりきりインタビュー」的なものをやってみたのだ。 みなさん、モデレーショ…

平気でウソをつく

インタビュー調査では、対象者に「正直に答えて欲しい」「思ったことは何でもしゃべって欲しい」「こちらへの気遣いはいっさいいらないから」「私(モデレーター)は関係者じゃないから」と入念にバリアーを取り去りされば、自由で創造的な発言が得られると…

圧迫プロービング

モデレーションは、出席対象者にリラックスした雰囲気を与え、質問されたことに「すなおに」答えてもらうことに注意して行う。 対象者の発言には、『そうなんですか』、『そうなんだ』と納得も理解も同調も反論もすべて曖昧ながら、『あなたの発言は確かに聞…

認知はハシゴの階層構造を持つか

昔、レパートリーグリッドと言われ、諸井先生が「評価グリッド法」として完成させたリサーチの方法論がある。 評価グリッド法とセットでよく使われるのがラダリングという手法である。 これは、消費者の認知構造と製品の価値構成(要素)構造が相関している…